永久カレンダー搭載クロノグラフ 3970EJ

パテック・フィリップを代表する「永久カレンダー搭載クロノグラフ」は、永久カレンダーとクロノグラフといった2つの複雑機構を同時に搭載するモデルであり、同社の伝統を継承する最も重要なモデルのひとつです。

「Ref.2499」の後継機である「Ref.3970」は、1986年から2004年の18年にわたり生産されたロングセラーモデルで、36mmケースにポンプ型プッシャーを備えたクラシカルな魅力を有するモデルです。

「Ref.3970」は、長期間製作されていた事もあり年代によってディテールに違いがあるのも面白い点です。
諸説ございますが、ケース構造とダイヤルデザインの違いにより3世代に大別する事ができます。

ご紹介のモデル「Ref.3970E」は、1986年から1991年に生産されたもので所謂第2世代に該当するモデルとなります。
リファレンス末尾の「E」（Etanche=フランス語で防水の意）に見られる通り、防水性を高めたスクリューバック式のケース構造が特徴であり、ラグ側面には第2世代ならではのホールマークが確認できます。

左右対称の端正な表示レイアウトがなされた文字盤には、極めて美しい造形のリーフ型時分針が備えられており、これも第1世代・第2世代に見られる大きな特徴となります。

搭載する手巻き「Cal.CH 27-70 Q」は、ヌーヴェル・レマニアの名機「Cal.2310」エヴォーシュをパテック・フィリップによる全面的な修正と仕上げを施し、永久カレンダーモジュールを加えたムーブメントです。

Ref.3970の第一・第二世代は、デザイン面と希少性の高さから常にコレクター人気の高いモデルとなっており、クラシカルな魅力を備えながら現代的な時計製造が反映された実用性にも優れる傑作モデルです。