GMTマスター 1675 グロスギルト チャプターリング アンダーバー 1963年製

パンナム航空の依頼により開発され1955年に初登場したGMTマスターの1stモデルRef.6542をアップデートする形で1959年に2ndモデルのRef.1675は登場しました。主な変更点はクラウンガードが追加され、金属製のベゼルインサートを採用、ムーブメントの変更などが挙げられますが、その後様々なディテールチェンジを経て1979年頃まで約20年間に渡り生産されたロングセラーとなりました。特に初期のRef.1675はディテールに試行錯誤を繰り返している様子が伺える点が大変興味深く、現在では様々な文字盤のバリエーションやクラウンガードの形状の変遷などが研究されています。
本個体は、シリアルナンバー87XXXX、裏蓋IV.63から1963年頃に生産された個体で、総合的に見てもネガティブなポイントを見つけることが困難なパーフェクトなコンディションを維持しています。文字盤は経年の劣化を全く感じないレベルで艶やかなギルトダイヤルとトリチウム夜光が当時のまま保存されています。
チャプターリング有りギルトダイヤルのMK3にあたる文字盤で、特筆すべきはチャプターリングギルトでは大変珍しいアンダーライン仕様のダイヤルです。アンダーラインはラジウムからトリチウムへの夜光塗料の変更を表していて1963年頃にだけ見られる特徴ですが、同年にチャプターリングも廃止になっていることから、チャプターリングとアンダーラインという特徴を同時に持っているダイヤルは極めて希少性が高いと言えます。
各針に関しても全てオリジナルの時分針とミニGMT針でトリチウム夜光の発光の強さも文字盤のインデックスとマッチングしています。
ベゼルインサートは経年により褪色はしていますが傷の少ないコンディションで、ベゼルの土台部分のグリップの形状は初期の深いタイプの特徴があり、こちらも年式と一致しています。
ケースシェイプに関しましては、クラウンガードは所謂ヒラメケースと呼ばれる、幅広タイプのPCG（ポインテッドクラウンガード）でシャープにその形状を維持していますし、ラグのエッジ部分は驚くべきコンディションを維持しておいます。
ブレスレットは63.2刻印の6251H、FF55ジュビリーブレスレットで、年式も一致しており、伸びが少なく非常にコンディションが良い状態です。
キャリバーはCal.1560、ムーブメントシリアルD6XXXXが搭載されています。
付属品は当時の箱、保証書、タグなどが付属しますが、保証書はシリアルナンバーの記載無しとなります。
滅多に市場に現れることがない極めて良好なミントコンディションを維持した、初期の珍しいディテール満載のRef.1675をお見逃しなく。