エクスプローラーI 1016 チャプターリング グロスギルト MK1 ダイヤル 1960年製

1953年にエドモンド・ヒラリー卿とシェルパのテンジン・ノルゲイ氏が人類初の世界最高峰エベレスト登頂を達成した際に使用された腕時計がエクスプローラーの起源とされています。第１世代に当たるエクスプローラーは複数のリファレンスを跨ぎ存在し、文字盤のバリエーションも様々ですが、第２世代に当たるRef.6610の頃には徐々に現在のブラック369文字盤に統一されて行きます。1959年頃には第３世代であるRef.1016が登場しますが、様々なマイナーチェンジを重ねながら1990年頃まで約30年間にわたり製造されたロングセラーモデルで、現在のエクスプローラーIのイメージを醸成したモデルと言えます。
今回入荷しましたのは、Ref.1016の中でも初期に生産されたものの特徴である、文字盤外周をサークルが一周する、所謂チャプターリング仕様のギルトダイヤルで、その中でも最初期に該当するMK1（SCOC）ダイヤルです。
文字盤表面の艶やかなグロス部分は外周部部分に若干劣化が見られるものの、約70年以上経過していることを疑ってしまう程に、非常に良い艶やかな状態を維持しています。
ケース状態は、経年でポリッシュは複数回を経ていると想像できますが、サイドホールの位置からも、製造された年代を考慮したうえでも良好と言えます。シリアルナンバーが59xxxxであることや、裏蓋内側の年代を表す刻印がVI60であることから1960年第4期の生産であることがわかり、ヘッド部分のミドルケース、バックケース、文字盤のディテールは年代的な整合性が完全に取れています。
1962年頃までは夜光塗料はラジウム夜光仕様とされており、トリチウムよりも強く発光する特徴を備えています。
ブレスレットは20mmリベットブレス7206 FF80が装着されています。クラスプの刻印から年式は本体よりも若干後の65年第2期のものだと解ります。非常に状態の良いRef.1016のチャプターリングミラーMK1ダイヤルをお見逃しなく。